Vernon Lee (Violet Paget)

John Ruskin

ジョン・ラスキン(John Ruskin)

 John Ruskin

 1819~1900年。イギリスの美術研究家・社会思想家。画家ターナーを初めて評価したほか、ウォルター・ペイターやオスカー・ワイルドら、世紀末の唯美主義者たちに影響を与えた。主要著書に『建築の七燈』(The Seven Lamps of Architecture1849)、『近代画家論』(Modern Painters、1843-60)らがある。

Modern Painters

 ヴァーノン・リーは'Ruskinism'(Belcaro収録)というエッセイを執筆している。このなかで、リーはラスキンの美術批評家としての仕事を並ぶもののないものとしながら、その道徳論については否定的な見解を述べている。リーによれば、ラスキンの特質は「美の創造」と「悪(evil)の破壊」であり、芸術の基盤に道徳をおき、芸術から悪を排除しようとした。それに対し、リーは善(good)と悪(evil)は必ずしも対立しないとし、'the world of the physically beautiful is isolated from the world of the morally excellent'と述べ、芸術の評価から道徳を排しようとした。'Beauty, in itself, is neither morally good nor morally bad: it is aesthetically good, even as virtue is neither aesthetically good nor aesthetically bad, but morally good. Beauty is pure, complete, egoistic: it has no other value than its being beautiful.'と述べるヴァーノン・リーの思想は『ドリアン・グレイの肖像』の序文におけるオスカー・ワイルドの唯美主義思想に近いと思われる。
 また、'Ruskin as a Reformer'(Gospels of Anarchy収録)では"He (Ruskin) has opened out to us many and various fields of aesthetic and imaginative enjoyment"とする一方、"Ruskin was unable to sympathize with progress and was hostile to everything modern"とも述べている。
 対話形式のエッセイ集Baldwinでは、芸術とは神のわざ(the works of God)に人がもつ喜びの表現であるとするラスキンの言葉を引用しつつも、同時に芸術とは神のわさに対する人間の不満の表現でもある、としている。
 『ことばの美学』ではラスキンの用語「浸透性の想像力」(imagination penetrative)を取り上げ、その意味を思い出せないので自分の解釈を述べるとして、同書の中でこの用語を用いている。リーの解釈によれば、「浸透性の想像力」を欠いた絵画とは、描かれたものしか見えず、描かれていない物、描かれたものの背後にある空間なり他者を想像できない絵画のことである。リーはそれを小説に敷衍し、「浸透性の想像力」のある小説は、表現していないものを、「現在の曲面や現在の興味を越える思考とか感覚の運動によって表現できる」小説である、としている。
 美術エッセイLaurus Nobilisでは"And two of the greatest artists of our times, Ruskin and Tolstoi"と書いている。(Laurus Nobilis, P. 253. )そして、""I am proud to follow Ruskin in this as in so many essential questions of art and life"とも書いている。
 なお、リーの伝記作者ピーター・ガンは、リーとラスキンの芸術観について次のように述べている。"Vernon Lee's ideas on art run diametrically counter to those of Ruskin, whose influence, then at its highest, she roundly attacks. Ruskin, she declares, was 'in many respects, a man left far behind by the current of modern thought.'; for he still considered that the basis of art is moral." (Peter Gunn, Vernon Lee, P.81.)

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